バックミンスター・フラーは、「宇宙船地球号」という考えを世に送った、20世紀のレオナルド・ダ・ビンチとして知られるアメリカのユニークな学者である。彼が、自然の原理を基に開発した「フラードーム」は、1967年カナダ・モントリオールで開かれた世界万国博覧会のアメリカ館に使われ、世界的脚光を浴びただけでなく、最近ではノーベル科学賞に輝いた“C-60”という新たな炭素分子の構造と一致することから、改めて世界的に注目されている。
フラーは、“もし「詩」(POEM)が、最小限の言葉で最大なことを語るならば、史上最大の詩人は、アインシュタインであっただろう。なぜならば彼は、この宇宙すべてをE=Mc2でまとめたからである。”と語っている。このような「MORE WITH LESS」という考えを基に、彼はまさに最近流行りのLOHAS的思想の生みの神と言っても過言ではない。
そんなフラーの最大の発想、そして夢が「ワールド・ゲーム」であった。「ワールド・ゲーム」は主観的になりがちな政治家の手助けとなるようなコンピューターシミュレーションによって“世界平和”を実現しようとするフラーの革命的提案である。