2012年度「五井平和賞」受賞者

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ヘレナ・ノーバーグ=ホッジ

執筆家、映画監督、ローカリゼーション運動家(スウェーデン)

授賞理由

ISEC (International Society for Ecology and Culture)の創設者であり、代表を務めるヘレナ・ノーバーグ=ホッジ氏は、30年以上に渡り、経済のグローバル化が地域の文化や生態系、人々のアイデンティティに与える影響について研究を続け、社会問題、環境問題など世界の諸問題の解決の糸口として、「地域化」「分散化」という代替の経済モデルを提唱してきました。執筆、映画制作、講演など幅広い教育・啓発活動を通して、様々な国や地域におけるローカリゼーション運動を促進することで、固有の文化と生物多様性の回復、コミュニティのつながりと地産地消をベースにした地域経済の強化、ひいては持続可能で公正な社会づくりに貢献してきました。真に豊かな未来に向けた、地道な活動とその功績が認められました。

プロフィール

ISEC (International Society for Ecology and Culture)の創設者・代表。スウェーデン生まれ。ロンドン大学、マサチューセッツ工科大学などで言語学を専攻する。1975年に外国に開かれたばかりのインドのラダック地方へ赴き、ラダック語・英語辞典を作成する。以来、ラダックの人々と共に、近代化の波によって失われつつある伝統文化や環境を保全するプロジェクトに携わる。86年にもう一つのノーベル賞と呼ばれるライト・ライブリーフッド賞を受賞。著書『ラダック懐かしい未来』は40以上の言語に翻訳され、同題の映画と共に世界各国で高い評価を得ている。また、制作・監督を務めたドキュメンタリー映画『幸せの経済学』(2010年)は数々の映画賞を受賞。食糧農業の未来に関する国際委員会の創設メンバー、グローバリゼーションに関する国際フォーラム、およびグローバル・エコビレッジ・ネットワークの共同創設者でもある。