2013年度「五井平和賞」受賞者

2013-silsilah

シルシラ・ダイアログ・ムーブメント/代表:セバスチャーノ・ダンブラ神父

平和団体(フィリピン)

授賞理由

1970年代、カトリック・ミラノ外国宣教会によりフィリピン・ミンダナオ島に派遣されたセバスチャーノ・ダンブラ神父は、激化するイスラム教徒とキリスト教徒の間の武力紛争と一般市民の間に広がる憎悪と対立に直面したことから、宗教間の対話の必要性に目覚め、1984年にザンボアンガ市を拠点に、イスラム教指導者や同僚の神父らと共に、シルシラ・ダイアログ・ムーブメントを設立しました。以来、フィリピンにおける異教徒間の調和と相互理解を目的に草の根の活動を続け、関係者の暗殺など幾多の困難にも屈することなく、一貫して対話の文化の構築を推進してきました。2012年10月にフィリピン政府とモロ・イスラム解放戦線との間で、和平枠組み合意が成立した背景には、長年に亘る彼らのたゆまぬ努力と地道な活動が寄与したといえます。また、宗教精神に基づく真の対話の呼びかけは、世界の多くの人々の共感を集めています。その平和への貢献が評価されました。

プロフィール

「シルシラ」とは、アラビア語で「鎖」や「つながり」を意味する。また、スーフィー(イスラム神秘主義)の概念では、神に達するプロセスを意味し、同じ神によって創られた人類の霊的なつながりを表す言葉でもある。シルシラが提唱する対話とは、神との対話、自己との対話、他者との対話、大自然との対話。それら全てを包含する愛と信頼に基づく精神的な生き方としての対話であり、対話によってもたらされる一人一人の意識の変革を通して、社会を変革していくことを目指している。

また、一般市民、政治家、企業家、宗教指導者、若者などを対象に、様々な研修コースや体験プログラムを提供。異教徒間の対話のみならず、持続可能な農業や環境教育、学校運営や福祉事業など、幅広い普及啓発・社会貢献活動を展開している。シルシラのプログラムに参加した何千人ものOBの多くは、政府や民間組織など様々な場で活躍し、その精神を広めている。