2022年度「五井平和賞」受賞者

Satish Kumar

サティシュ・クマール

平和活動家、エコロジー思想家(イギリス)

授賞理由

サティシュ・クマール氏は、思想家、活動家、教育者として、その生涯を平和で持続可能な世界をつくるために捧げてきました。人が自然と調和し、精神性を大切にし、平和で公正な社会をつくるという、ソイル(土)・ソウル(魂)・ソサエティ(社会)の三つのバランスが取れたホリスティックなビジョンを掲げ、シンプルで美しい生き方を提唱してきました。

その哲学を学ぶ大学「シューマッハ・カレッジ」を設立し、ヘッド(頭)・ハート(心)・ハンド(手)を統合した先駆的な教育を実践するなど、様々な普及啓発活動を通して、また、エコロジカルでスピリチュアルな原則の体現者として、多くの人々に、自らを変えることで世界を変えるようインスピレーションを与えてきました。その長年の功績が評価されました。

プロフィール

サティシュ・クマール/Satish Kumar

平和活動家、エコロジー思想家。1936年インド生まれ。9歳でジャイナ教修行僧となり、18歳でマハトマ・ガンジーの非暴力思想に共鳴し還俗。1962年から核兵器廃絶を訴える13,000キロの平和巡礼を無銭、徒歩で2年半かけて行う。その旅で自然破壊を続ける現代文明の姿に危機感を抱き、環境活動も開始。1973年にイギリスに移住し、東洋と西洋の哲学を融合し、持続可能なライフスタイルを提唱する雑誌『リサージェンス&エコロジスト』の編集長を43年間に亘り務める。1991年、エコロジカルな生き方を実践的に学ぶ国際的教育機関「シューマッハ・カレッジ」を共同設立し、30年間で90カ国20,000人を育成。80代となった現在も、自然環境の再生、社会的な公正、精神的な充足を促進するための執筆・講演活動を精力的に続け、世界的に活躍している。『エレガント・シンプリシティ「簡素」に美しく生きる』(NHK出版)ほか、著書多数。

五井平和賞 歴代受賞者