2024年度「五井平和賞」受賞者

Jane Goodall

ジェーン・グドール

動物行動学者、自然保護活動家(イギリス)

「五井平和賞」は、2000年の創設以来、教育・科学・文化・芸術など、様々な分野において、地球と人類の未来に真の平和と調和をもたらす上で、顕著な功績があり、「生命憲章」の理念原則と同じ方向性を持つ個人や団体を顕彰している国際的な賞です。 

本年度の五井平和賞は、生涯に亘り、野生動物の研究・保護活動をはじめ、生態系や自然環境を含む、地球のあらゆる生命の持続可能な未来のために精力的に活動してきた、野生チンパンジー研究で世界的に知られる動物行動学者のジェーン・グドール氏に決定しました。

授賞理由

ジェーン・グドール氏は、長年に亘る野生チンパンジーの調査・研究を通じ、人間と動物の共通性を示す画期的な発見をしました。そして、その知見に基づき、人間・動物・自然はつながり合って生きているという生命観のもと、あらゆる生命が共存共栄する持続可能な未来の実現を目指し、地域に根差した環境保護プログラムの実施ならびに教育啓発活動を世界各地で展開し、人々が自然界への理解を深め、地球のために行動を起こすよう鼓舞してきました。多くの人々に未来への希望を与え続ける生涯をかけた活動を評し、授与するものです。

プロフィール

ジェーン・グドール/Jane Goodall

動物行動学者、自然保護活動家。1934年イギリス生まれ。1960年からタンザニアのゴンベで野生チンパンジーの生態調査を行い、道具の使用をはじめとするチンパンジーの知性や生態を世界で初めて解明した。1977年にジェーン・グドール・インスティテュート(JGI)を創設。野生動物の研究・保護、森林や生態系の保全、環境教育など、ホリスティックな活動を行い、現在、日本を含む世界24ヵ国に拠点を持つ。貧困や教育の問題と環境破壊の負の連鎖を食い止める、アフリカ初のコミュニティ主導型の環境保護プログラム「タカリ(TACARE)」を立ち上げ、成果を上げるほか、1991年に開始したユース主導の環境保護プログラム「ルーツ&シューツ(ROOTS & SHOOTS)」は、世界70カ国で展開されている。90歳となった現在も年間300日を世界各地での講演活動に費やし、一人一人に変化をもたらす力があるという希望のメッセージを広めている。2002年に国連平和大使に任命。大英帝国勲位、京都賞、テンプルトン賞など数々を受勲、受賞。『希望の教室』(海と月社)ほか、著書、主演ドキュメンタリー映画多数。
ジェーン・グドール インスティテュート ジャパン ウェブサイト

五井平和賞 歴代受賞者