モロッコと日本の学校をつなぐ教育事業を展開

五井平和財団は、モロッコのモハメッド6世環境保護財団とパートナーシップを結び、環境保護と平和をメインテーマに、持続可能な開発のための教育(ESD)を推進する共同事業を2018年より展開してきました。

ララ・ハスナ モロッコ王国王女(2018年度五井平和賞受賞者)が代表を務めるモハメッド6世環境保護財団は、海洋環境をはじめとする環境保護教育に力を入れ、地域密着型の教育プログラムをモロッコ国内の2000近い公立小学校で実施するなど、幼少期から自ら考え、責任をもって行動し、社会や環境の問題を解決できる次世代の育成に成果を上げています。

日本とモロッコの学校間交流プロジェクトは、環境保護に関する先進的な取り組みや、持続可能な生活につながる伝統技術などを紹介し合い、両国間の子どもの相互理解や友情の深まりを目指すもので、これまで2組の学校間交流が行われました。

1組目の、東京にあるケイ・インターナショナルスクールと首都ラバトのエコスクール、アブデルモーメン小学校は、世界環境デー(65日)や世界海の日(68日)に合わせて活動を行った時の様子や、環境を守るために自分たちに何ができるかをそれぞれに考え、ビデオレターで紹介し合いました。

2組目は、東京の大田区立大森第六中学校とラバトのヒザム・アクダル小学校です。両校は環境保護活動をビデオで紹介し合うことから交流をスタートしました。

学校間交流が順調に進む中、モロッコより来日されたモハメッド6世環境保護財団代表のララ・ハスナ王女が、20181122日に大森第六中学校を訪問され、全校を挙げた交流会が行われました。

全校生徒に盛大な拍手で迎えられたハスナ王女は、生徒たちによる創作ダンスや、日本文化の柔道、剣道、書道の披露を楽しまれたほか、近隣の洗足池でのホタル復活プロジェクト、大岡山駅前花壇の整備活動、給食時のフードロス(食糧廃棄)削減運動など、地域と連携した同校の様々な取り組みの発表に、熱心に耳を傾けられていました。

終盤は、全校生徒が自作の平和の歌を合唱し、記念品として1年生は花紙でつくられたモロッコと日本の国旗、2年生は牛乳パックを紙漉きして作成したしおり、3年生は世界平和を祈念した千羽鶴と色紙の贈呈を行いました。

最後に、ハスナ王女は生徒たちに向けて「このような素晴らしいESD活動を、誇りを持って取り組んでいることに感動しました。モロッコのエコスクールとの交流が今後も盛んに続くことを願ってやみません」と語りかけられると、ひときわ大きな拍手が鳴り響き、交流会は終了しました。

生徒たちからは「日本文化を紹介できたのが良かった。もっとモロッコの様々な文化や環境保護活動を知りたい」、「潰れそうなほど緊張したが、普通ではできない経験ができて良かった」、「いつかモロッコの子どもたちと直接会って交流し、共に活動を始めたい」など様々な感想が聞かれました。

両財団は、今後も学校間交流プロジェクトを推進するとともに、それぞれの専門性とネットワークを活かし、新たな教育プログラムを共同で開発していく予定です。

アブデル・モウメン小学校(モロッコ)とケイ・インターナショナルスクール東京(日本)との交流

ヒザム・アクダル小学校(モロッコ)と大田区立大森第六中学校 (日本)との交流