2017年度ユース・シチズン・アントレプレナーシップ・コンペティション 入賞者決定

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革新的なアイデアや取り組みによって、世界の様々な問題の解決を目指す、15歳から30歳までの若いアントレプレナー(社会起業家)の発掘・育成をするプロジェクト「ユース・シチズン・アントレプレナーシップ・コンペティション」は3回目を迎えました。

今回、コンペと共に本プロジェクトの特色の一つである、ウェブサイト上で社会起業に必要なトレーニングや、仲間と意見交換が自由にできる「アントレプレナーシップ・キャンパス」の登録者数が、前年の2000人から3万7000人へ、受講者数は800人から1万6000人へ飛躍的に増え、コンペの「ベストアイデア」部門に寄せられたアイデアは、キャンパス上での意見やアイデアが反映され、より現実的に練りあげられたものが多く見られました。

コンペは、より良い社会をつくるための「ベストアイデア」部門に339件、既に社会に影響を与えている「ベストプロジェクト」部門に275件の応募があり、社会起業の専門家により上位3賞と、一般投票で最も支持を得た「ピープルズ・チョイス賞」が選出されました。

発表は、2017年10月21、22日にドイツ・ベルリンの自由大学で、社会起業に携わる若者や専門家1500人が参加したアントレプレナーシップ・サミットにおいて行われました。

本プロジェクトのウェブサイト(英語)では、受賞した全てのアイデアとプロジェクトをご覧いただけます。

ベストアイデア部門

最優秀賞
エデュ・セル / EDU-CELL

受賞者:シュフラ・クーフィ (18歳/女性/アフガニスタン)

エデュ・セルは、経済的、社会的、文化的などの理由で教育を受けられない女子の中等教育支援を目的とした、モバイル端末対応の学習アプリケーションソフト。

月額200円ほどで、自宅にいながら様々な学科の授業が15分単位で受けられ、授業後は、選択式のテストで自分の理解度をチェックできる。言語は英語、アフガニスタン公用語のパシュトー語、ダリー語に対応。現在、アプリケーションの開発に詳しい友人、教師3人の協力を得て、実現に努めている。

ピープルズ・チョイス賞
ノヴフィード / NovFeed

受賞者:オタイゴ・エリシャ (28歳/男性/タンザニア)

養殖魚の飼料の原料を、高価な大豆や魚粉から、栄養価が高く5日ほどで収穫できるウキクサに置き換え、貧困や食糧不足を改善しようというビジネスアイデア。

ウキクサは1エーカーの人口池の場合で年間約75トンもの収穫ができ、生態系を壊さずに安価で提供できる。飼料コストが抑えられることで、養殖魚の生産性が向上し、地域の収入増や子どもの栄養不足による病気の予防も見込まれる。

 

ベストプロジェクト部門

最優秀賞
ボージップ─視覚障がい者のためのブレスレット / BHOGIP-the Sense Perceptive Bracelet for People with Visual Disabilities

受賞者:ケヴィン・モラレス・チャモロ (20歳/男性/ニカラグア)

「ボージップ」は、視覚障がい者が他者に頼らずとも、必要な物を音声指示で見つけ出せるブレスレット。

よく利用する物にあらかじめブレスレットに反応するステッカーを貼っておく。すると、20m以内に物がある場合、10m先なら2回、3m以内なら1回振動し、見つけたら音声で教えてくれる。

ピープルズ・チョイス賞
マラリアによる子どもの死亡撲滅運動 / Preventing Childhood Malaria Death in Rural Gungu and Malaria Care International Center

受賞者:ルイソン・ンボンボ (22歳/男性/コンゴ民主共和国)

治療と予防が可能なマラリアによる子どもの死亡を防ぐ取り組み。

コンゴ民主共和国グング地区の子どものマラリアの罹患・死亡率を2年以内に70%削減することを目標に、農村地域での衛生教育、適切な治療や予防を指導できる保健員の育成ほか、5歳未満の子どもがいる貧困家庭には、殺虫剤処理を施した蚊帳を無料で提供している。また、同地区の世帯医療費の約80%を占めるマラリアを予防できれば、貧困の改善にも貢献できることから、研究センターの設立も目指している。

 

共催:五井平和財団、アントレプレナーシップ財団