2019年度ユース・シチズン・アントレプレナーシップ・コンペティション入賞者決定

社会の様々な問題解決に世界各地で取り組む15~35歳の若者が、それぞれのアイデアやプロジェクトを競い合う「ユース・シチズン・アントレプレナーシップ・コンペティション」は5回目を迎えました。2019年度は、社会の課題解決を目指す「ベストアイデア」部門に624件、すでに実践されている「ベストプロジェクト」部門には255件の応募が世界各地からあり、15~35歳の若者がそれぞれのアイデアやプロジェクトを競い合いました。

また、社会起業に必要なノウハウがオンライン上で学べ、受講者同士で互いのアイデアやプロジェクトへのアドバイス、意見交換などで交流し合える「アントレプレナーシップ・キャンパス」には、世界各地で社会問題に取り組む1万人を超える若者たちが参加し、学びやつながりを深めました。

コンペティションの受賞者発表は、2019年10月19、20日にドイツ・ベルリンのフライ大学で開催された、「アントレプレナーシップ・サミット」において行われました。

本プロジェクトのウェブサイト(英語)では、受賞した全てのアイデアとプロジェクトをご覧いただけます。

ベストアイデア部門

【最優秀賞】
ウェイストベンダー / Wastebender

受賞者:モハマッド・ノウファル(23歳/男性/インドネシア)

年間6650万トンものゴミ排出量のうち分別率は1%未満という問題を抱えるインドネシアにおいて、家庭用の自動廃棄物処理機を提供し、有機ゴミを簡単に素早く効果的に堆肥に変換するアイデア。

処理機は、炭素フィルターによる消臭機能も備え、モバイルアプリを使えばゴミやメタンガスの削減量も把握できる。郊外の埋立地へのゴミの運搬費や排気ガスも削減でき、温暖化防止にも貢献できる。

SDGs目標12:つくる責任、つかう責任
SDGs目標13:気候変動に具体的な対策を

【ピープルズ・チョイス賞】
未来型医療ケアシステム / Futuristic Medical Care System

受賞者:カノクラット・トンカラヤ(20歳/女性/タイ)

AI(人工知能)を活用した中央医療管理システムで、医療システム全体の向上を目指すアイデア。AIでデータ管理を行い、スマートフォンでの自動受付や精算、症状と疾患を照合するアプリ、疾患分析のための生分解性疾患検出マイクロチップと分析モニターを併用することで、医療施設のない地域でも医療を可能にする。また、遠隔手術やセルフサービスの薬局、ドローンでワクチンを届けるなど、未来型の医療を提案。

SDGs目標3:すべての人に健康と福祉を

ベストプロジェクト部門

【最優秀賞】
アイセイバー / Eyesaver

受賞者:クリチヤ・ウォントングリ(17歳/男性/タイ)

タイの全ての子どもに視力検査を実施し、早めに適切な処置をすることで目の健康を守り、同時に視覚障害に起因する貧困のループも改善する取組み。

これまでにタイの複数の小学校で1000人以上の児童に視力検査を行い、200人以上の屈折障害や弱視を検出したほか、300を超える検査キットを配布している。

SDGs目標3:すべての人に健康と福祉を

【ピープルズ・チョイス賞】
ナイジェリアの技術学校を支援するプロジェクト / Project Save Nigeria Technical Colleges

受賞者:オルワトシン・アデオスン(33歳/男性/ナイジェリア)

ナイジェリアの技術学校では、機材や装備の不足により、充分な専門知識の習得や訓練を受けられないことから、多くの若者たちが失業状態にあり、国民の約70%が1日1ドル未満で生活している。

大学や企業に技術ツールや機器を提供してもらい、若者の職業スキルを向上させることで、雇用機会の創出、生活水準の向上、貧困の撲滅を目指している。

SDGs目標1:貧困をなくそう
SDGs目標4:質の高い教育をみんなに

共催:五井平和財団、アントレプレナーシップ財団、デジタル・エキスパーツ・ユナイテッド