社会をより良くする起業のアイデアや既に実行しているプロジェクトを、コンペに参加登録した者同士で意見交換しながら向上させていき、一般からの投票と選考委員の審査によって受賞者が決定されるシチズン・アントレプレナーシップ・コンペティション。13歳から29歳までの「ユース部門」と30歳以上の「アダルト部門」があり、あらゆる世代がSDGs（持続可能な開発目標）の達成に向けて研鑽し合っています。

2021年度は、両部門合わせて305件の「アイデア」と79件の「プロジェクト」が登録され、各部門の上位3位と一般から最も票を獲得したピープルズ・チョイスが選出されました。

2021年12月10日に行われたオンライン授賞式では、受賞したアイデアとプロジェクトの動画紹介や受賞者へのインタビューが行われ、社会起業家や環境活動家の選考委員から受賞者たちへ「夢を大きく持つこと」、「困難に直面しても恐れず諦めないこと」などのアドバイスやエールが送られました。

本プロジェクトのウェブサイト（英語）では、受賞した全てのアイデアとプロジェクトをご覧いただけます。

ユース部門

ベストアイデア

コミュニティの発展 / Developing Communities
受賞者：リン・ピエ・ハイン（16歳／アメリカ）

地域の発展に貢献する芸術やスポーツ、起業家精神、政治などの専門知識を学べる学校を設立し、貧困で就学が困難な6歳から18歳の子どもや若者が無料で学べる機会を提供。卒業後は3～5年の間、関連する企業で就労できる場も提供して経済格差を改善するアイデア。

SDGs目標 8：働きがいも経済成長も
SDGs目標11：住み続けられるまちづくりを

ベストプロジェクト

プロジェクト・オーラED / Project AuraED
受賞者：プリヤンシュ・ピャクレル（18歳／ネパール）

IT技術に詳しい学生ボランティアが学校を訪れ、パソコンの基礎からプログラミング、ウェブデザイン、サイバーセキュリティなどの知識を子どもたちに教えるプロジェクト。高校生4人で始めたプロジェクトに、現在100人のボランティアが協力し、これまでにネパール各地の5校で5000人以上に指導を行った。
www.auraed.org

SDGs目標 4：質の高い教育をみんなに
SDGs目標 9：産業と技術革新の基盤をつくろう

アダルト部門

ベストアイデア

アニ / ANI（Actions Network Initiative）
受賞者：アーノルド・ラプス（33歳／フィリピン）

若者とコミュニティのボランティア活動をつなげるアプリを開発するアイデアで、ANIはタガログ語で「収穫」の意味を持つ。

ボランティア活動に参加すると、アプリ内にある自分のデジタルツリーが成長していき、自分の進歩が視覚的に実感できるというアイデア。

SDGs目標17：パートナーシップで目標を達成しよう

FOWECO-UG / Food&Wealth Concern Uganda
受賞者：フレッド・アセガ（41歳／ウガンダ）

ウガンダの貧困層が所有する遊休地を借り上げ、大規模な有機農業を行い、土地所有者には対価としてオートバイやミシンなどの製品または学費、農作物などを公平に提供するアイデア。

SDGs目標 1：貧困をなくそう
SDGs目標 2：飢餓をゼロに

ベストプロジェクト

テーブル・バンキングで地方の貧困に挑む / Combatting Rural Poverty through Table Banking
受賞者：テ・フランシス（41歳／カメルーン）

テーブル・バンキングは、月に一度、少数の女性メンバーが集まり、所持金をテーブルの上に差し出し、メンバー内の女性に貸し付ける。借り受けたメンバーは仕事の資金にして、収益を増やし、利子と共に返済する。

女性の収入を増やすことで、貧困からの脱却はもとより、乳幼児死亡率の低下や家庭内暴力の回避、子どもの就学率の向上などにも効果がある。

SDGs目標 1：貧困をなくそう
SDGs目標 4：質の高い教育をみんなに