【開催報告】2021年度作文コンテスト受賞者たちを祝い、つながりを育む「バーチャル授賞式」と「受賞者の集い」を開催

2021年度国際ユース作文コンテストの選考結果発表日である10月31日(日)に、文部科学大臣賞、優秀賞、入選の上位入賞者を讃える「バーチャル授賞式」を開催しました。

入賞者18人は、日本をはじめ、インド、ベトナム、マレーシア、ブラジル、カナダなど世界13カ国からオンラインを介して一堂に集まり、川村真妃常務理事、協賛企業の代表者、過去の受賞者たちから祝福を受けました。

また、彼らは、続けて行われた「受賞者の集い」に参加し、双方向の対話を通じて交流し、友情を育みました。

受賞者へ多くの祝福が送られた「バーチャル授賞式」

バーチャル授賞式は、ファンファーレで幕が開くと、最優秀賞にあたる文部科学大臣賞から順に各賞受賞者が紹介され、受賞者たちは緊張した面持ちながらも、「文章を書くのはあまり得意ではありませんが、普段思っていることを書きました。こんなにも高く評価していただき光栄です」(子どもの部・優秀賞 中山諒也さん)、「コロナ禍の今、命について深く考え、書く機会を与えてくれたことに感謝しています」(若者の部・優秀賞 フーティアン・シューさん)など、それぞれに喜びを語ってくれました。

受賞者発表を受け、川村真妃常務理事が主催者を代表して彼らへお祝いの言葉を述べました。

「皆さんは、それぞれに命の深い本質に触れ、それぞれの表現で明らかにしてくれました。一人一人が素晴らしい作家、哲学者、将来のリーダーです。今日のこの機会につながり、学び合ってください。そうすれば、きっと将来、お互いに協力し合い、今よりも、もっと命が大切にされる美しい世界がつくられると思います」

続いて、本コンテストに協賛くださっているセイコーホールディングス株式会社常務取締役 庭崎紀代子様、プラス株式会社 常務取締役 ステーショナリーカンパニー プレジデント 新宅栄治様から受賞者たちへのメッセージが紹介されました。

「今年のテーマは、『いのちとは何か』という、私たちの『原点』を問うものでした。大人でも考えることが難しいこのテーマに皆さんが向き合い、紡ぎ出した一つ一つの言葉はとても心に響きました」(庭崎様)

「いずれの作品からも、瑞々しい感受性と誠実なお気持ちが伝わってきました。皆さん一人一人の個性が尊重され、育まれていく未来であってほしいと心から願っています」(新宅様)

そして、過去の文部科学大臣賞受賞者で、英国オックスフォード大学大学院の事業ディレクターを務めるアンジャリ・シャルカルさん(2012年)、米国アイオワ大学病院でヘルスケアの専門家として活躍するナラヤン・クルカルニさん(2015年)から、受賞作品は世界の人々へのギフトになること、綴られている言葉には人々の心を動かし、鼓舞し、変化を起こさせる力があることなど、受賞経験者ならではの力強いエールが祝福と共に送られました。

最後は、一人ずつ自分にとって「いのちとは何か」を一言で表現してもらいました。これは同年11月20日(土)にオンライン開催された五井平和財団フォーラム「想像を超える未来を創造する」で、受賞者たちのメッセージ動画として放映され、視聴した多くの方から感動したという声をいただきました。

「受賞者の集い」は、3つのテーマで対話。若者が求める教育や学びの場とは

バーチャル授賞式に続いて行われた「受賞者の集い」では、対話を通じてより良い世界に向けたクリエイティブな考えやポジティブな未来像などを共有し、友情を育むことを目指しました。

最初の対話のテーマは、「今までの人生で一番大変だったこと、嬉しかったことは何ですか」。

「部活動で夜遅くまで練習したのに、大会で良い結果を残せなかった」、「長時間の受験勉強などが大変だった」などが挙がり、一番嬉しかったことには、「妹の誕生」、「この入賞をきっかけに周囲の人に与える影響の大きさに気づけたこと」などが共有されました。

2つ目のテーマは、「コロナ禍はあなたの生活にどのような影響を与えましたか」。

「ロックダウン(都市封鎖)で友人と自由に外で遊べなくなった」、「多くの人が感染しているので、将来何が起こるかわからないという恐怖や不安を感じる」などの率直な気持ちや、「皆のために何ができるかを考えることができた」など、プラスに転換させた声の両方が聞かれました。

最後は、「これからどんな教育や学びの場があればよいと思いますか」をテーマに話してもらいました。以下、受賞者たちが語ったアイデア(抜粋)です。

  • 自分の関心事や世界の諸問題について調べることができたり、世界中の人々がつながり、問題解決について話し合えるオンライン授業
  • 愛情と思いやり深い人間になるための教育
  • 命の大切さを学べる教育
  • 夢を持たせる教育
  • 思いや考えを自由に共有でき、評価されることなく、相互理解が深められる教育
  • 誰でもアクセス可能な無償教育
  • 対話重視型の教育
  • 若者たちがロールモデルになれる教育
  • 生きていく上で本当に役立つスキルや、世界について学べる授業

ほかにも、実際に教育を受ける側の若者たちから様々なアイデアが聞かれました。中には「この場でいろいろな国の人たちと話せたことが人生で一番嬉しいこと」と語る受賞者もいました。

若者たちが様々な違いを超えてつながり、意見を交わしながら、多様性を喜び合えるような企画を今後も実施してまいります。

バーチャル授賞式の動画(英語のみ)がご覧いただけます。