2022年度シチズン・アントレプレナーシップ・ コンペティション入賞者決定

「シチズン・アントレプレナーシップ・コンペティション」は、ドイツのアントレプレナーシップ財団、デジタル・エキスパーツ・ユナイテッドと共催している社会起業家育成プログラム「アントレプレナーシップ・キャンパス」の一環として開催しています。

2022年度は97カ国から、SDGs(持続可能な開発目標)の達成に資する「アイデア」が865件、実行されている「プロジェクト」が234件登録されました。その後、登録者同士によるアドバイスなどの研鑽を経て、最終登録された「アイデア」約200件、「プロジェクト」約90件の中から、「ユース部門」(13歳~29歳)、「アダルト部門」(30歳以上)の上位3位と、一般から最も得票した「ピープルズ・チョイス」が選出されました。

授賞式は12月14日にオンラインで行われ、主催者や選考委員から創造性と努力をたたえる祝辞が受賞者たちに贈られました。受賞者のアイデア、プロジェクトが動画で紹介され、インタビューでは、発案のきっかけや今後の展望、同じ問題を抱えた国でのロールモデルとなる可能性にも言及していました。最後は受賞者たちが画面上に映し出され、互いの健闘をたたえ合いました。

本プロジェクトのウェブサイト(英語)では、受賞した全てのアイデアとプロジェクトをご覧いただけます。

ユース部門

ベストアイデア

ローカルテック:地場産品の市場 / LocalTech: Market for Local Products
受賞者:ビシャンカ・クリシュナ・シュレスタ(18歳/男性/ネパール)

国外への出稼ぎ労働者が多いことから、地場産品の生産者が、購買者とデジタル市場で直接取引ができるアプリケーションを開発し、地域の経済と失業率の改善、手工芸品や薬草、食品などの地場産品の価値を高めることを目指すアイデア。

SDGs目標 1:貧困をなくそう
SDGs目標 8:働きがいも経済成長も

ベストプロジェクト

ビーフライ / BeFly
受賞者:ヨハン・セバスチャン・チャベス・モスケラ(24歳/男性/コロンビア)

有機廃棄物を食べて成長し、高タンパク質な栄養源となった食用昆虫、アメリカミズアブの幼虫を加工し、養豚などの畜産農家へ、環境に優しい経済的な代替飼料として提供。

これにより年間最大504トンの有機廃棄物を処理でき、焼却時のCO2排出量を約90万トン回避できる。現在、プラント建設や設備投資などの創業資金に5万米ドル(約680万円)の投資を獲得するなど、今後の飛躍が期待される。

SDGs目標 2:飢餓をゼロに
SDGs目標13:気候変動に具体的な対策を

アダルト部門

ベストアイデア

障害者のための職業センター /
Vocational center of excellence for young persons with disabilities

受賞者:アイリーン・バンディ(39歳/女性/ケニア)

障害のある若者が、かご細工やビーズ細工などの工芸、石工、木工、溶接などの専門技術を習得できる職業センターを設立し、雇用の促進と自立を支援するアイデア。手話でアイデアを紹介している。

SDGs目標 8:働きがいも経済成長も
SDGs目標10:人や国の不平等をなくそう

ベストプロジェクト

クジンバ・サービス / Kuzimba Services
受賞者:エフランセ・ユーニス・ナムゲニー(34歳/女性/ウガンダ)

レンガの廃材を活用したエコレンガや、プラスチック素材のエコタイルなどの製造販売をはじめ、適切な排水処理システムの提供など、持続可能で自然環境に配慮した住宅ソリューションを高品質かつ手頃な価格で提供している。

ナムゲニー氏が大学の電気工学科の講師も務めることから、技術を身につけた卒業生たちの雇用創出にも貢献している。
https://kuzimba.com

SDGs目標 9:産業と技術革新の基盤をつくろう
SDGs目標11:住み続けられるまちづくりを

共催:五井平和財団、アントレプレナーシップ財団、デジタル・エキスパーツ・ユナイテッド