【開催報告】2022年度作文コンテスト「受賞者の集い」に若者が10カ国から参加

2022年度国際ユース作文コンテストの選考結果発表から約2週間後の2022年11月12日(土)、上位入賞者(文部科学大臣賞、優秀賞、入選)を対象に「受賞者の集い」をオンラインで開催しました。

「受賞者の集い」は、様々なバックグランドを持つ受賞者同士が、より良い世界に向けてポジティブなビジョンを共有しながら、学び合い、友情を育み、相互理解を促すことを目的に企画しました。日本、スリランカ、ロシア、ウクライナ、ウガンダ、カナダなど10カ国から多様なバックグランドを持つ15人が参加し、対話を通じて交流を図りました。

それぞれが大切にする価値観に触れる

価値観スライド

まずは、作文のテーマ「わたしの価値観」にちなみ、それぞれが大切にしている価値観を盛り込んだ自己紹介からスタート。続いて主催者を代表して、川村真妃常務理事からお祝いの言葉が伝えられました。

「皆さんの価値観は、多様で素晴らしく、自分の価値観を大切に、他者の価値観を尊重しながら生きることで、これまでの人類がつくれなかった素敵な未来をつくることができると確信しています。

皆さんの作文は、作文を読んだ多くの人たちへの感動と学びのプレゼントにもなっています。どうしたら皆さんに内在する、未来を良くする知恵や力を引き出すことができるかという視点で、これからを生きてください」

対話を通じて交流や相互理解を深める

受賞者たちの対話は、小グループに分かれ、二つのテーマで行われました。

<テーマ1>他の受賞者の作文を読んで、心に残ったこと、感動したことを共有しよう

参加者たちは、事前にグループメンバーの作文を読んだ上で、感想を共有しました。

異文化生活の中で、人種的な差別や偏見の目を向けられながら、正義、平等、愛を信条に、アジア系移民の権利を世界に伝える取り組みをしているカナダ在住の受賞者には、「多くの人が共感する作文だと思います」と感想が伝えられました。

また、自分を取り巻く厳しい状況の中で、平和や表現の自由、命の大切さを作文に訴えたロシアの受賞者には、「あなたの作文は美しいギフトです」、「あなたの勇気に感動しました」というメッセージが送られ、ウクライナの受賞者には「苦しみはとても想像もつかないが、そんな中であなたが、命や生きている実感を大切にしようとしていることに胸が打たれました」という気持ちが伝えられるなど、とても濃密な対話の時間となりました。

<テーマ2> 他の人と価値観が違うことで面白かったこと、驚いたことはありますか

続いて、価値観の多様性を楽しむ・学ぶという観点でテーマを設定しました。
「私は三姉妹の真ん中ですが、地震が起きた時の反応が、楽観的な姉、冷静な自分、怖がり屋の妹、それぞれの価値観が違っていて面白いと思った」と、個人的な体験を共有する参加者や、「以前アメリカに住んでいた時は、学校での学習は個人に任されていたが、帰国したマレーシアの学校では成績の競争が激しくて大変だった」という、二つの異なる教育環境での体験を語る参加者もいました。

また、「以前住んでいたシンガポールでは、4言語で電車内のアナウンスがあったり、様々な肌の色の人が共に暮らしたりしていたが、日本では普段から外国人と交流する機会が限られていて、多様性の視点が十分ではない」など、文化的な差異についての見解を共有する参加者もいました。

参加者たちからの感想

「グループセッションは、自分の世界を広げてくれるとても楽しい時間でした」、「私たちは国も民族も異なるけれど、世界平和について共に考え、お互いの価値観から学び合うことができ、有意義な時間でした」、「私の体験談を聞いてもらい、興味深いテーマで話し合った今日のことは忘れません」など、日常では出会うことのない、世界各地の若者との交流を喜ぶ感想が多数聞かれました。

また、ファシリテーターとして協力してくれた2012年度<若者の部>最優秀賞受賞者のアンジャリ・シャルカルさん(バングラデシュ)からも「皆さんは、単なる言葉の交換ではなく、愛と知恵のギフトを交換していた」と、感想が伝えられました。

閉会後、参加者たちから、今回のような若者の多様な価値観や経験に触れたり、SDGs、調和、愛、持続可能な開発、内なる平和、文化など様々なテーマで、自分の考えをシェアしたりする交流会を希望する声が寄せられています。

引き続き、世界の若者たちがつながり、お互いの違いや多様性を尊び、学び合いながら、平和な世界を共創していけるような場づくりを行ってまいります。

参加者の皆さん

※敬称略

  • <子どもの部>
    文部科学大臣賞/佐藤和花(東京都)、優秀賞/ヒランガ・スラウェラ(スリランカ)、アリーナ・パダルコ(ウクライナ)、エローラ・キアー(インドネシア)、入選/染谷真由(茨城県)、早川瑞希(東京都)、吉田朋加(東京都)

  • <若者の部>
    文部科学大臣賞/ソフィア(ロシア)、優秀賞/イアン・ハシム(マレーシア)、キョー・リー(カナダ)、入選/エニオラ・オルワトミシン(ナイジェリア)、片山芽生(東京都)、ガマリエル・ラングイド(フィリピン)、トゥイシミレ・テオジーン(ルワンダ)、ウデオビ・オビオマ(ナイジェリア)