質の高い教育の実現に向けたESDの国際会議に参加

2023年12月18日(月)から20日(水)にかけて、ユネスコ(国連教育科学文化機関)と文部科学省が共催の第1回「ESD-NET グローバル会合」が、東京の国連大学において「共に教育を変容させる」をテーマに開催されました。

世界83カ国より、教員やESD(持続可能な開発のための教育)の実践者、教育・環境・青少年などの分野を所轄する各国政府関係者、NGO代表者、大学生ら約250人が参加し、活発に議論を重ね、交流を深めました。ユネスコと公式関係を有し、同機関がSDGs(持続可能な開発目標)の実現に向けて推進する「ESD for 2030グローバル・ネットワーク」のユース分野の戦略パートナーでもある当財団からは、中山樹事業ディレクターが出席しました。

会合では、加盟国のESD for 2030のロードマップ(行程表)やその取り組み状況の共有、ESD活動や最新の研究成果の発表、2024年、2025年の行動計画の検討など、多岐に亘る議題を通して、国際的な連帯や協働に向けたネットワークの強化を図りました。

1日目は、「教育の変容」に関する対話型セッションを皮切りに、「ユネスコ/日本ESD賞」授賞式、「教育者の能力開発」、「ユースのエンパワメントと動員」などのESDの優先行動分野に関するセッションなどが行われました。2日目は、都内のユネスコスクールなどESDの実践現場の視察のほか、5地域のグループに分かれたディスカッションでは、数カ国の代表によるESD for 2030の進捗状況の報告などが行われました。3日目は、「幼児教育」、「気候変動教育」などテーマ別の事例紹介、各地域の今後の行動計画の発表などが行われました。

3日間の会合を総括して、ユネスコのステファニア・ジャンニーニ教育担当事務局長補が、「共通のゴール達成のためには、〝教育の変容〟〝ユースのリーダーシップ〟〝排除から包摂〟〝競争から協働へ〟という発想の転換が重要。教育に投資を!」などと呼びかけました。そして、参加者全員が、SDGs達成の目標年である2030年とその先を見据えて、ビジョンと各専門分野や地域における協働の具体的イメージを共有しつつ、盛況の内に幕を閉じました。