
年に一度、日頃の感謝と五井平和財団の活動をお伝えする会員総会「報告と感謝の集い」を2月17日(土)にオンラインで開催し、約350人が全国各地、海外から参加しました。
はじめに
「『生命憲章』や『富士宣言』を生き方に体現してくださる世界中の賛助会員の皆様に応援していただき、共に平和の実現に向けて活動ができることに感謝しています」と、川村真妃常務理事の感謝の言葉と進行でスタートしました。
西園寺昌美会長はビデオメッセージを通して、「設立25周年を迎えられることに心より感謝申し上げます。これも偏に五井平和財団をサポートし続け、共に働いてくださった皆様方のお力の賜物でございます」と、感謝を伝えました。
西園寺裕夫理事長は、皆様への感謝と共に、改めて五井平和財団の役割を次のように述べました。
「五井平和財団は、ネガティブなものに反対を表明するのではなく、平和の意識など、ポジティブなものを増やしていくアプローチを基本とし、一つの分野に特化したスペシャリストではなく、様々な専門分野や英知を結集してネットワークを築き、平和に向けた潮流をつくるための活動をしています。日頃の物心労に亘る皆様のご協力・ご支援に心より感謝を申し上げます」
事業報告
本年度は、3つの事業報告を各担当職員が行いました。
「講演会シリーズ:21世紀の価値観」では、幅広い分野のスペシャリストが語る従来の常識を超えた新しい視点を通じて、これからの社会を展望できる機会になっていることを報告。続いて、賛助会員の方に登場いただくと、「分野を問わず、その道を究めた講師のお話が毎回楽しく、視野が広がっています。また、講演会へ誘った友人たちと、内面の深いところで共鳴し合えるようになりました」と、講演会参加の感想を語ってくれました。
「中高生キャリア支援プログラム『私のコンパス』」では、自分の将来と地球の未来を考えるきっかけになっていることや「ユース・コミュニティ」では、世界中の若者が平和のために自分に何ができるのか、真剣に考える場になっていることが報告されました。
トークの時間
青少年教育事業を通じて寄せられた、若者たちが平和を考える上で感じている様々な問いのうち、3つを事前に参加者にも考えていただき、回答結果を発表しました。
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問1.世界平和のために、変化を起こし続けるにはどうしたらいいですか。
- 自分には何ができるかを問い続ける
- 「人類にとってどうなのか」を判断基準に行動する ほか
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問2.なぜ、私たち人類は平和のために戦うのでしょうか。
- 戦いによってもたらされた平和は続きません。互いを理解するための対話が大切だと思います
- 戦争体験者からのお話を聞くのが良いと思う ほか
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問3.誰かが幸福になったら、その陰で誰かが不幸になると大人に言われました。
- 本当の幸せとは何かをまずは考えてみてほしいと答えます
- 幸せは人から与えられるものではなく、自分の心の持ち方と伝える ほか
全ての人を幸福にすることは、難しいことですか。
川村常務理事は、「このようなシンプルだけど難しい問いは、問い続けていくことが大切。財団としては、機関誌やウェブサイトにも掲載されている五井平和賞受賞者や講演会講師の講演録などをヒントとして提供していきたい」と語りました。
質疑応答
参加者から寄せられた質問に西園寺理事長が回答し、プログラムを締めくくりました。
Q.大学などで、若者に平和について考えてもらうために、どのようなお話をされていますか。
A.まずは「平和とは何か」を考えてもらい、大事なポイントとして、平和を脅かす要因である戦争・紛争、貧困・飢餓、差別、感染症、環境問題、気候変動などを引き起こしているのは、人間の意識であり、それが変わらなければ根本的な解決はできない。生命憲章に謳っているような普遍的な価値観を皆で共有し、行動ができれば、平和に近づくのではないかと伝えています。
Q.設立25周年を迎えるにあたり、今後の展望や計画はありますか。
A.例えば、過去の五井平和賞受賞者の知恵や経験と、若者のアイデアの融合など、若者たちが平和に向けて力を発揮できるために我々ができることを考え続けています。
参加者の感想
- これからの世界をつくる若い世代に、平和は実現可能だという希望を示している五井平和財団の働きが、改めてよく分かりました。
- 25年の歩みは、未来を引き継ぐ若者たちに誇れるものだと思います。地球や未来のために努力している大人の姿を知ってもらい、その後を引き継いでいってもらえれば、持続可能な希望の道はつながってゆくと思います。