平和に関する世界の若者の意識調査―2022年度調査結果【問9】

2021年度と同様に、平和でない国の重要課題は「戦争と紛争をなくす」「人権と自由を守る」「政情が安定し、治安を守る」に集中

自国がもっと平和になるために、解決しなければならない最も重要な課題は、世界全体では「政情が安定し、治安を守ること」15.1%(2021年度比0.5%減)、「人権と自由を守ること」14.7%(同2.1%増)、「男女の不平等など、あらゆる差別や偏見をなくすこと」13.5%(同1.6%減)を選ぶ者が多かった。(グラフ9-1の通り)

日本では、2021年度と同様に、「男女の不平等など、あらゆる差別や偏見をなくすこと」が大差をつけて最重要課題に挙げられた。(グラフ9-2の通り)

上位3項目について、回答者が占める割合に基づく上位3カ国を並べたところ、興味深い結果となった。

  • 「政情が安定し、治安を守ること」:1位ベネズエラ(50.0%)、2位スリランカ(46.7%)、3位ケニア(40.0%)
    (表9-1-1の通り)
  • 「人権と自由を守ること」:1位ポーランド(35.1%)、2位ミャンマー(31.1%)、3位トルコ(27.8%)
    (表9-1-2の通り)
  • 「男女の不平等など、あらゆる差別や偏見をなくすこと」:1位韓国(58.3%)、2位日本(35.2%)、3位ポーランド(35.1%)
    (表9-1-3の通り)

上位3項目以外を見ると、北米・西欧では「経済格差や雇用の問題をなくすこと」16.7%(2021年度比6.3%増)、中南米では「社会における、あらゆる形の暴力をなくすこと」20.3%(同3.5%増)および「質の高い教育をみんなに提供すること」14.9%(同3.9%減)、東欧・中央アジアおよび中東では「戦争や紛争をなくすこと」がそれぞれ13.9%(同7.1%増)、17.3%(同3.2%減)、アフリカでは「貧困や飢餓をなくすこと」13.1%(同0.7%増)も上位に。(グラフ9-4-1、グラフ9-4-2、グラフ9-5-1、グラフ9-5-2、グラフ9-6-1、グラフ9-6-2、グラフ9-7-1、グラフ9-7-2、グラフ9-8-1、グラフ9-8-2の通り)

なお、問8で自国を平和な方だと「思わない」と回答した者の多かった国の重要課題は「戦争と紛争をなくすこと」「人権と自由を守ること」「政情が安定し、治安を守ること」に集中した。(表9-2の通り)

Q9-世界
グラフ9-1)世界(2021年度と2022年度の比較)

Q9-日本
グラフ9-2)日本(2021年度と2022年度の比較)

アジア・大洋州-平和についての意識調査-五井平和財団

グラフ9-3-1)アジア・大洋州(2021年度)

Q9-2022_アジア

グラフ9-3-2)アジア・大洋州(2022年度)

北米・西欧-平和についての意識調査-五井平和財団

グラフ9-4-1)北米・西欧(2021年度)

Q9-2022_北米

グラフ9-4-2)北米・西欧(2022年度)

中南米-平和についての意識調査-五井平和財団

グラフ9-5-1)中南米(2021年度)

Q9-2022_南米

グラフ9-5-2)中南米(2022年度)

東欧・中央アジア-平和についての意識調査-五井平和財団

グラフ9-6-1)東欧・中央アジア(2021年度)

Q9-2022_東欧

グラフ9-6-2)東欧・中央アジア(2022年度)

中東-平和についての意識調査-五井平和財団

グラフ9-7-1)中東(2021年度)

Q9-2022_中東

グラフ9-7-2)中東(2022年度)

アフリカ-平和についての意識調査-五井平和財団

グラフ9-8-1)アフリカ(2021年度)

Q9-2022_アフリカ

グラフ9-8-2)アフリカ(2022年度)

表9-1-1)「政情が安定し、治安を守ること」と答えた回答者の割合トップ10の国(2022年度)*回答者10人以上のみ対象
    順位        国名    その国の回答者に占める割合
1位 ベネズエラ 50.0%
2位 スリランカ 46.7%
3位 ケニア 40.0%
4位 ネパール 38.9%
5位 エクアドル 35.7%
6位 タイ 33.3%
7位 ジンバブエ 27.3%
8位 ナイジェリア 24.6%
9位 パキスタン 24.0%
10位 モルディブ 23.8%
表9-1-2)「人権と自由を守ること」と答えた回答者の割合トップ10の国(2022年度)*回答者10人以上のみ対象
    順位        国名    その国の回答者に占める割合
1位 ポーランド 35.1%
2位 ミャンマー 31.1%
3位 トルコ 27.8%
4位 エルサルバドル 27.3%
5位 ウガンダ 25.7%
6位 中国 25.0%
7位 ナイジェリア 24.1%
8位 バングラデシュ 22.0%
9位 コンゴ民主共和国 21.4%
キルギスタン 21.4%
表9-1-3)「男女の不平等など、あらゆる差別や偏見をなくすこと」と答えた回答者の割合トップ10の国(2022年度)*回答者10人以上のみ対象
    順位        国名    その国の回答者に占める割合
1位 韓国 58.3%
2位 日本 35.2%
3位 ポーランド 35.1%
4位 オーストラリア 29.4%
5位 南アフリカ 28.6%
6位 カメルーン 27.3%
フィジー 27.3%
イラン 27.3%
9位 マレーシア 25.6%
10位 米国 25.0%
表9-2)問8で自分の国は諸外国と比べて平和な方だと「思わない」と答えたトップ10の国と各国の最も重要な課題(2022年度)
    国名    最も重要な課題 その国の回答者に占める割合
アフガニスタン ⼈権と⾃由を守ること 31.1%
コンゴ民主共和国 戦争や紛争をなくすこと 57.1%
ナイジェリア 政情が安定し、治安を守ること 24.6%
ベネズエラ 政情が安定し、治安を守ること 50.0%
コロンビア ⼈権と⾃由を守ること
政情が安定し、治安を守ること
20.0%(最重要課題が同率)
エチオピア 貧困や飢餓をなくすこと 24.0%
アルメニア 戦争や紛争をなくすこと 43.5%
トルコ ⼈権と⾃由を守ること 27.8%
スリランカ 政情が安定し、治安を守ること 46.7%
南アフリカ 男⼥の不平等など、あらゆる差別や偏⾒をなくすこと
社会における、あらゆる形の暴⼒をなくすこと
28.6%(最重要課題が同率)