
ガンジーは、その生涯を世のために捧げることを強く願い、そのために自らの内面から私利私欲の思いをすべて消し去り、精神を純粋で明るく健全に保ち、囚われなく愛に生きるよう努めた。このような精神状態を保てるようになるまで20年近くかかりながら、日々の努力によって、彼はあらゆる人が持つ深い資質、すなわち、慎ましいリーダーシップ、雄弁さ、そして無私の奉仕のための無限の能力を少しずつ見出していった。
南アフリカにいたとき、ガンジーは1日に50マイル(約8キロ)も歩き、夜は数時間しか眠らないこともあった。70歳を過ぎても毎週何百通もの手紙を書き続け、右手が疲れると左手で書くことを覚えた。ある時、手紙を書いている最中にランタンがつかなくなった。普通なら書くのをやめて寝てしまうところを、ガンジーは、彼からの返信がどれほど大きな意味を持つかを知っていたため、外に出て月明かりの下で手紙を書き上げた。こうした行動には、ガンジーの尽きることのない生命力の源泉が垣間見える。もし、私たちがこのような生き方をしろと言われたら「無理だ!」と言うだろうが、ガンジーはこう反論するだろう。「いいえ。あなたの心がすべての人への愛で満たされていれば、それは可能なのです」。
ガンジーの晩年に、ある欧米のジャーナリストが尋ねた。「あなたは50年間、毎日15時間働き続けていますが、休暇を取りたいと思ったことはないのですか?」。ガンジーは笑って、「私はいつも休暇を取っているよ」と答えた。ガンジーには、私利私欲がないため、心の中に葛藤がなく、エネルギーを消耗することがなかった。ただ唯一の圧倒的な願望に、すべての情熱を注いでいた。この世界的に著名な人物は、インドの首相にも、アジアで最も裕福な人物の一人にもなれたが、「裕福になることにも有名になることには興味がない」と言い切った。彼が目指したのは、はるかに偉大で、自分の才能、資源、時間、エネルギーをすべて世界のために託して、ゼロの状態になることだった。
ガンジーは、「完全な努力こそが完全な勝利となる」と語った。失敗しても、理想が崩れても、悩む必要はない。ただ、ベストを尽くし続けること。倒れても、立ち上がって進もう。走れなければ歩く。歩けなければ這えばいい。人生において、これほど喜びに満ちて、これほどスリリングなことはない。その努力だけが、あらゆる個人的な問題、あらゆる苦しみや屈辱を忘れさせ、喜びの波をもたらし続けるのだ。
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投稿者: Eknath Easwaran (サービススペースのサイトより)