村上和雄

筑波大学名誉教授

テーマ

喜びや感動が可能性を引き出す

プロフィール

1936年生まれ。63年京都大学大学院博士課程修了。76年米国バンダビルト大学医学部助教授。78年筑波大学応用生物化学系教授。99年より筑波大学名誉教授、財団法人国際科学振興財団理事およびバイオ研究所長。83年に高血圧の原因である酵素「レニン」の遺伝子解読に成功し、世界的な業績として注目を集める。現在も遺伝子研究で世界をリードし続ける。90年マックスプランク研究賞、96年日本学士院賞ほか受賞多数。著書「生命の暗号」（サンマーク出版）、「サムシング・グレート」（サンマーク文庫）、「そうだ！ 絶対うまくいく！」（海竜社）ほか多数。

講演概要

「人間の遺伝情報はほとんど眠っています。眠っている良い遺伝子をONにし、起きている悪い遺伝子をOFFにすることができれば、私たちの可能性は飛躍的に発展するのです」

遺伝子研究で世界をリードし続ける村上和雄先生が、私たちに内在する無限の可能性を開く秘訣を語ってくれます！

講演録

まず、アメリカの研究時代や、高血圧の黒幕、酵素レニンの遺伝子解読成功までの道のりの紆余曲折を話され、そのあと本題へ。

眠っている良い遺伝子をオンに。起きている悪い遺伝子をオフに。「眠っている良い遺伝子をオンに、起きている悪い遺伝子をオフにできれば、私たちの可能性は大きく広がります。人と出会う、環境を変えるといったことでも遺伝子のスイッチは変わります」さらに、吉本興業の協力で行った実験から“笑い”が、糖尿病患者の血糖値を下げた結果に触れ、「これまで感動、笑い、深い祈りなどの良い思いが、良い遺伝子をオンにすると言い続けてきましたが、この実験結果はその突破口を開きました。なかでも、宗教や信仰に関係なく、昔から人間と共にあった祈りと遺伝子の関係を今年から研究したいと思っています」と話されました。

また昨年11月に広島で開催された国際平和会議にダライ・ラマ法王らと出席された折に、法王から “21世紀は日本の時代”と言われたことを話され、「日本には、自然に対する尊敬の心を持って生きてきた何千年にもわたる精神文化と、科学技術力、経済力があります。このバランスがとれれば、日本は世界の役に立つ、尊敬される国になり、東洋と西洋、精神文明と物質文明の架け橋になれると思います。いよいよ日本の出番。私は科学の側面から、その役に立ちたいと思っています」と結ばれました。

質疑応答のあと、講演会は終了。会場を移し、村上先生、西園寺理事長を囲んでの懇親会が行われました。