平和に関する世界の若者の意識調査~4年間の分析レポート(2021〜2024年度)~

公益財団法人 五井平和財団  /  Online Survey on Peace Awareness 2021 — 2024  /  4-Year Longitudinal Study  /  v4.7

世界の若者は、いま、平和をどう見ているか

An Editorial Reading of 16,439 Voices —
4年間の平和意識調査が示した、揺らぎと、行動の兆し。

16,439回答数 / Total Voices
173ヵ国・地域Countries & Territories
4年間継続調査 / Longitudinal
85%13〜22歳 / Aged 13–22
01 — Survey Overview

4年分の声を、ひとつの軌跡として読み直す。

公益財団法人 五井平和財団では、「平和の創造」を目的とした様々な活動の一環として、平和に資する青少年教育事業を展開してきました。世界規模で、20 年以上にわたって毎年実施してきた国際ユース作文コンテストの参加者の多様性に着目し、世界の若者たちの平和についての現状認識や問題意識、平和に貢献するために取り組みたいことなどをアンケート形式で聞き取り、そのデータから今の若者たちの意識の傾向を探ってきました。

本レポートは、2021 年から 2024 年までの 4 年間にわたるアンケート調査の結果を統合的に分析したものです。4 年間で延べ 16,439 件の回答が世界 173 ヵ国・地域から寄せられました。単年では見えにくかった若者意識の変化を、年次比較・地域比較・主要設問の交差分析を通じて読み解いていきます。

調査と分析の概要

  • 4 年分の回答データを統合(2021: 6,538 件 / 2022: 4,272 件 / 2023: 3,610 件 / 2024: 2,019 件)
  • 複数選択質問(Q6・Q7・Q11・Q12)は選択肢を年次で正規化し、各選択率を算定
  • カテゴリ変数(Q3・Q5・Q10 など)の年次差はカイ二乗検定、Q4 平和度スコアはANOVA(一元配置分散分析)で検証
  • Q10(対話頻度)と Q11(行動数)の関連はスピアマン順位相関で検証
  • 回答者の出身国を 6 地域(アジア / アフリカ / 欧州 / 米州 / 中東 / オセアニア)に分類し、99.6% を地域単位で分析
76%

女性回答者の比率

4 年通じて女性回答が多数を占める (n=11,451)。男性 4,827、その他 161。

18

回答者の中央値年齢

主に 13–22 歳のユース層。Youth 13,987 / Children 2,452 と Z 世代の声が中核。

8,876

アジアからの回答

インド・フィリピン・パキスタン・日本ほか。次いでアフリカ 3,416、米州 2,517。グローバルサウスの声が極めて厚い。

12

分析対象の主要設問

Q1〜Q12 まで全質問を年次・地域・属性別に集計。複数選択の正準化により純粋な年次比較を実現。

回答者数の推移と地域構成
2021 — 2024n = 16,439

回答数は年々減少しているが、地域構成はアジア優勢で安定。これは時系列比較における「同質的サンプル」を担保し、年次変動が 世界情勢に対する若者の認識変化 を反映していると解釈できる根拠となる。

02 — Worldview Shift

世界は less peaceful へ。
4 年で深まった、認識の翳り。

Q3「世界は過去より平和になっていますか?」では、「より平和」と答えた割合は 2021 年 44.3% から 2024 年 36.6% へ減少 (-7.7pt)。一方「より平和でない」は 37.3% → 46.0% へ増加 (+8.7pt)。同時に Q5「あなたが生きている間に世界は完全に平和になるか?」で「Yes」と答えた割合も 2023 年に一度 34.8% まで上昇したのち、2024 年には 24.6% へ急落した。

カイ二乗検定では Q3 (χ² = 132.2, p < 10⁻²⁰)、Q5 (χ² = 172.1, p < 10⁻³³) ともに 極めて高い統計的有意性。背景にはコロナ・ウクライナ・中東情勢など、若者が日々目にする世界の緊張が反映されていると考えられる。

Q3 — 世界は過去より平和になっているか
4 categories aggregatedp < 10⁻²⁰

「より平和でない」(濃赤系) が 4 年通じて増加。2024 年は「Much less peaceful」が 27.0% と過去最高。

Q5 — 生きている間に完全な平和は実現するか
Yes / No / No ideap < 10⁻³³

2023 年の希望のピーク (Yes 34.8%) から 2024 年に急落 (24.6%)。世界情勢への失望が若者の長期的展望を揺るがしている。

— Insight 01
若者が肌で感じる世界は、4 年間で 確実に「平和から遠ざかっている」
この感覚低下は統計的にも明白であり (p < 10⁻²⁰)、 若者に学び・対話・行動の機会を届けることの大切さを、改めて浮かびあがらせる結果といえる。
Q3 + Q5 / 2021–2024 / n = 16,439
Q4 — 世界の平和度スコア (0–100%)
Mean ± SEMANOVA F=11.78, p < 10⁻⁶

2023 年に若干上昇したのち、2024 年に最低水準 (46.3%) へ。年次差は分散分析で有意。

03 — What Matters Most

「戦争を止めること」が 最重要課題として急上昇。

Q7「世界平和実現のために最も重要な課題は?」(複数選択) の回答を年次で追うと、最大の変化は 「No wars or conflicts (戦争・紛争がないこと)」 が 2021 年 41.9% から 2024 年 63.0% へ +21.1pt 急上昇 したこと。χ² = 360.8 (p < 10⁻⁷⁷) という、本調査で最も劇的な変動だ。

一方 Q6「過去より改善されたと感じるもの」で「Fewer wars and conflicts (戦争・紛争の減少)」を挙げる回答は 37.1% → 21.9% へ -15.2pt 急減。つまり若者の認識は「戦争はむしろ増えている。だから止めるべき」という方向へ大きくシフトした。

Q7 — 世界平和に最も重要な課題 (上位 8 項目, % 選択率)
Multi-select, top items4-year trend

「戦争・紛争停止」が他の課題を引き離して最重要となる。一方 「教育」「貧困」「差別」も常に Top5 に。差別 (人権) は 4 年通じて 47–54% と安定的に高位。

Q6 — 改善されたと感じる事象 (Top 6 推移)
Multi-select2021 → 2024

「教育へのアクセス」「科学技術による生活向上」は楽観が継続。一方「戦争の減少」は急速に色あせている。

Q2 — 最も大切にしたい平和の種類
Single select2021 → 2024

「Peace among all of humanity (人類全体の平和)」が 23.1% → 28.3% (2024) へ。グローバル連帯への意識が強まっている。

— Insight 02
若者の優先順位は明確に変わった ―
「戦争を止めること」が +21pt 上昇。これは過去 4 年で最大の変動であり、財団のミッション「平和」を世界に訴求する 絶好のタイミングであることを示す。
Q7 / 2021: 41.9% → 2024: 63.0% / χ² = 360.8, p < 10⁻⁷⁷
04 — Dialogue & Action

対話する若者ほど、動いている。

Q11「平和のために何をしているか/したいか」では、78% が 「他者への親切」、72% が 「対話による問題解決」 を選択。これらは年次変動が小さく、若者が共有する普遍的な平和観の基盤と言える。

特筆すべきは 「自分自身で平和プロジェクトを立ち上げる」 意欲の伸び。2021 年 33.6% → 2024 年 39.0% へ +5.4pt 増加 (χ² = 50.6, p < 10⁻¹⁰)。「平和運動への参加」も 42.1% → 46.8% へ +4.7pt 増加。受動から能動への若者意識のシフトが統計的に確認できる。

Q11 — 平和のための行動 (年次推移, 主要項目)
Multi-selectn = 16,439

親切・対話・環境保護といった「日常実践型」が最大層。プロジェクト起業・運動参加といった「能動型」が増加傾向。

対話頻度 (Q10) と 平和行動数 (Q11) の関係
Mean # of actions per discussion frequencySpearman r = 0.135, p < 10⁻⁶⁷

毎日のように平和を話す若者は平均 7.78 種類の行動を取り、ほとんど話さない若者は 5.16 種類。差は約 1.5 倍。話すこと自体が、行動への扉を開く。

— Insight 03
平和は 「教える」ものではなく、「話させる」もの
日常的に平和を話題にする若者は、そうでない若者より 1.5 倍多くの平和行動 を取っている。
対話の機会を提供することが、若者の行動を生み出すうえで大きな意味を持っている。
Q10 × Q11 / 4-year combined / Spearman r = 0.135, p < 10⁻⁶⁷
05 — What They Need

若者が求めているのは 3 つの資源

Q12「平和に貢献するために何が必要か?」では 4 年通じて Top3 が変動なく明確だ。

Q12 — 平和に貢献するために必要なもの (% 選択率)
Multi-select2021 → 2024

教育・対話の場 (76%) → 仲間とのつながり (69%) → 発信機会 (68%) の順。金銭的支援 (54%) より、非金銭的・関係性資本 が圧倒的に求められている。

76.5%

教育・学びの場

4 年連続で最大ニーズ。学ぶ機会が「平和への貢献」の前提条件と認識されている。

68.6%

同世代の仲間とのつながり

同じ志をもつピアコミュニティ。リーダーとの繋がり (46.4%) より高位。

68.5%

意見を発信する機会

声を上げ、聞かれる場。これが自己効力感と行動意欲を生む。

「ニーズ」と「行動」の連鎖 — どの支援が最も行動を生むか?

Q12 で各支援を「必要」と回答した若者と、そうでない若者の Q11「自分でプロジェクトを起こす」選択率を比較した。何が若者の行動を後押ししているのかが見えてくる。

支援ニーズ別 — 「自分でプロジェクトを起こす」割合
Q12 selected vs not selectedχ² test, all p < 10⁻²²

発信機会が必要と答えた若者の 41.8% が自分でプロジェクトを起こす意欲を表明 (必要としない群は 22.4%)。仲間とのつながり も同様に +17.7pt の差。これらは行動を生む「最強のレバレッジポイント」。

— Insight 04
若者が一番欲しいのはお金ではなく 「学ぶ場・つながる仲間・発信する機会」
とりわけ 発信機会と仲間 は、平和プロジェクトを「自分で起こす」確率を 約 1.85 倍に押し上げる。財団が提供しているエッセイコンテスト受賞者ネットワークは、この最重要ニーズに正面から応える設計になっている。
Q12 × Q11 / Voice: 22.4% → 41.8%, Peers: 23.6% → 41.3%
06 — Regional Voices

地域ごとに、違う「平和」の形がある。

Q4 平和度スコアと Q3「世界はより平和でない」の地域別分析から、若者の世界観には地域固有の濃淡があることが分かる。アフリカや中東の若者は世界を「より平和でない」と感じる比率が高く、米州の若者は比較的楽観的だ。

地域別 — Q4 平和度スコア (4 年平均)
Mean score (0-100%)n by region noted

中東 (44.3%) と米州 (44.4%) が最も低スコア。アジア・欧州 (48%台) が高め。

地域別 — Q5 「生涯で完全な平和は実現する」(Yes %)
% answering Yes4-year combined

アフリカの若者は 42.1% が Yesと答え、最も楽観的。米州 (13.8%)・オセアニア (16.0%) は最も悲観的。逆説的だが、紛争・貧困を身近に経験する地域ほど未来への希望が強い。

「世界はより平和でない」と感じる若者の割合 — 地域 × 年
Q3 negative response %2021 → 2024

2024 年は 全地域で悲観が増加。特に欧州 (22.8% → 37.3%) と中東 (40.7% → 51.6%) の上昇が顕著。世界共通の認識劣化が進行している。

地域別 — 最重要課題 (Q7 上位 5 項目)
% selecting each, by region4-year combined

欧州・中東は「戦争停止」が最優先 (60% 超)。米州は「教育」が最重要 (45.5%) と独自。アフリカは「人権・差別解消」(54.0%) を最優先。地域ごとに異なる課題意識が浮かびあがる結果となっている。

07 — Japan in Focus

日本の若者は 楽観的
でも「平和は来ない」と考えている。

4 年間で 803 名の日本人若者が回答。「世界は過去より平和になった」と考える楽観派は 2024 年でも 46.0% と 世界平均 36.6% より +9.4pt 高い。 一方、「自分が生きているうちに完全な平和は来る」と思う若者はわずか 9.2% で、世界平均 24.6% の 3 分の 1 以下。 この 「現状は楽観 / 未来は悲観」 という日本独特の逆説的構造が、4 年間のデータに一貫して現れている。

日本の若者 — 楽観派 vs 悲観派の推移 (Q3)
2021 → 2024n = 803 (4-year)

楽観派は 59.4% → 46.0% へ -13.4pt、悲観派は 13.8% → 25.3% へ +11.5pt。日本でも 4 年で確実に世界観が翳っているが、依然として世界平均より楽観的な水準を保つ。

日本 vs 世界 — 2024 年の主要指標
4 indicators comparedJP n=87 / Global n=2,019

楽観・対話 (Q10) は世界より低めだが、未来希望 (Q5 Yes) は 世界平均の 1/3 以下。これは日本特有の「達観・あきらめ」傾向と解釈できる。

日本の若者が考える「最重要課題」(Q7 上位 5)
Multi-select, 4-year averagevs global comparison

日本の若者は 「貧困・飢餓」 を世界平均より高く挙げる傾向があり、「気候変動」 関心は世界より低い。 「戦争・紛争停止」 は 4 年通じて高位で、とくに 2022 年以降 67–68% で推移。

— Insight 05 /日本の若者から見えること
日本の若者の 「平和実現を信じる」率はわずか 9.2%(世界平均 24.6% の 3 分の 1 以下)。 未来への希望が見出しにくい状況が、日本の若者をめぐる大きな特徴として浮かびあがる。希望を取り戻し、自分にも何かができるという感覚を育てる学びの場が、いま日本で必要とされている、とこのデータは語っている。
Q5 / 2024 Japan vs Global / N=87 vs 2,019
08 — Youth vs Children

2024 年、子どもの方が悲観的になった。
過去 3 年とは逆転。

回答者は Youth (15–25 歳) と Children (〜14 歳) に分類されている。 2021–2023 年は 子どもの方が将来を信じる傾向がありました ( 「平和は実現する」と答える率が Youth より高い)。 ところが 2024 年に逆転 — Children の Q5 Yes は 21.5% へ低下、 「世界はより平和でなくなった」と感じる率は 53.1% と Youth (44.3%) より高くなりた。

「自分が生きている間に完全な平和は実現する」Yes 率 — 世代別年次推移
Q5 by Category × YearYouth N=13,987 / Children N=2,452

2023 年に Youth は 35.7% で過去最高だったが、2024 年に 25.4% へ急落。Children は 4 年通じて 21–29% の低位レンジで推移し、 2024 年は Youth とほぼ同水準へ落ち込んだ。

「世界はより平和でなくなった」と感じる率 — 世代別
Q3 negative response2021 → 2024

2024 年は Children が 53.1%、Youth (44.3%) を 8.8pt 上回る。 子どもの方が世界の翳りに敏感になっている初の年。

「自分でプロジェクトを起こす」 — 世代別
Q11 own projectAction propensity

Youth はほぼ単調増加 (33.4 → 39.8%)。Children も 35–38% の水準で能動性は高い。子どもにも 「動きたい」 という意欲は確かに存在する。

— Insight 06 /世代の変化
2024 年、世界の翳りは 初めて子どもの目にも届いた。 「子どもは未来を信じる」 という前提が崩れたいま、 児童期からの平和教育・希望のメンテナンスが これまで以上に切実な課題として浮上している。
Q3 / Q5 / 2024 / Children N=382
09 — Pessimistic, but Engaged

悲観しているのは、
動こうとしているから

2024 年、 「世界は以前より平和でなくなった」 と答えた若者は 46.0%。 4 年で初めて悲観派が楽観派 (36.6%) を上回りた。 — ここで重要なのは 「では彼らは諦めたのか?」 という問い。 データの答えは 明確に「ノー」 です。 同じ 4 年間で、 平和について話す頻度は上昇 (79.5% → 83.2%)、 自分でプロジェクトを起こす意欲も上昇 (33.6% → 39.0%)、 平和運動への参加意欲も上昇 (42.1% → 46.8%)。 悲観の深まりと行動意欲の高まりが、同時に進行している。

悲観の深化と、行動の高まり — 同時進行する 2 つの曲線
Q3 pessimist % vs Q10/Q11 engagement %2021 → 2024

悲観派比率(濃赤)と、対話頻度高(緑)・自プロジェクト意欲(金)・平和運動参加意欲(紺)が 同方向に上昇している。これは、 「悲観 = 無関心化」ではなく、 「悲観 = 危機感による行動の動員」 と読み解ける現象。

対話頻度 — 悲観派 vs 楽観派
Q10 high frequency, by Q3 viewχ² p < 10⁻⁸

4 年通算で、 悲観派の方が楽観派より対話頻度が高い (84.5% vs 80.8%)。 世界の翳りに気づいた若者ほど、平和を話している

2024 年悲観派の行動プロフィール
n = 929 (2024 pessimists)vs all 2024

2024 年悲観派は 84.8% が平和を頻繁に話し、 47.1% が平和運動に参加意欲、 39.1% が自分でプロジェクトを起こす意欲を表明。 全体平均と同等以上の関与度。

— Insight 07 /悲観の先にある行動
若者が悲観しているのは、 諦めたから ではなく 気づいたから。 そして気づいた若者ほど、対話し、行動しようとしている。 これは、平和教育や若者支援にとって 最も希望ある発見のひとつです。危機感を 絶望 ではなく 行動へのエネルギー に変えていく場づくりが、これからの時代にますます大切になっていくことを、このデータは示唆している。
Q3 × Q10 / 4-year combined / 悲観派 N=6,422 vs 楽観派 N=7,168 / χ² p < 10⁻⁸
10 — Key Findings

4 年間が示した、10 の確かな声。

分析から導かれた、統計的に裏付けされた主要な発見をまとめる。

#発見
01「戦争・紛争停止」を最重要とする若者が +21pt 急増 (41.9% → 63.0%)
02「戦争は減ってきた」と感じる若者が -15pt 急減 (37.1% → 21.9%)
03「世界は過去より平和でない」と感じる若者が +8.7pt 増加
04「生涯で完全な平和」への希望は 2023 年ピーク後に急落 (34.8% → 24.6%)
05世界の平和度スコア (Q4) は年により有意に変動 (46.3% — 48.8%)
06対話頻度が高い若者ほど、平和行動が多い (1.5 倍)
07「自分で平和プロジェクトを起こす」意欲が +5.4pt 増加 (33.6% → 39.0%)
08「平和運動に参加する」意欲が +4.7pt 増加 (42.1% → 46.8%)
09「発信機会」「仲間」を求める若者は、自らプロジェクトを起こす確率が約 1.85 倍
10地域差: 米州・中東・オセアニアは悲観傾向、アフリカは未来に最も楽観 (Yes 42.1%)
11 — What the Data Tells Us

調査が浮かびあがらせた、
若者が必要としている5 つの場

4 年間・173 ヵ国・地域・16,439 人のデータを統合すると、若者が平和に向かって動き出すために何が必要かが、具体的な数字として見えてくる。それは 5 つの共通したテーマとして浮かび上がる。

THEME 01「対話の場」 ― 話すことが、動くことへつながる

本調査で最も明確に示されたのは、平和について日常的に話している若者ほど、実際の行動が多いという傾向だ。日常的に平和を語る若者は、ほとんど話さない若者と比べて約 1.5 倍多く平和のための行動に取り組んでいます (Spearman r = 0.135, p < 10⁻⁶⁷)。 「話す」という行為が、意識を行動に変える最初のステップになっている。

DATA — Q10 × Q11 / r = 0.135 / p < 10⁻⁶⁷ / n = 16,439

THEME 02「知る場」 ― 世界を理解したいという切実な問い

「戦争・紛争を止めること」を最重要課題と答える若者は、2021 年の 41.9% から 2024 年の 63.0% へ +21pt 増加した。同じ時期、「戦争が減った」と感じる若者は -15pt 減少している。 若者は世界の現実と向き合い、理解したい・考えたいという意欲を強めている。戦争・紛争・外交・人権を自分の言葉で考えるための学びの場が、強く求められている。

DATA — Q7 「No wars」: 41.9 → 63.0% (+21.1pt) / χ² = 360.8 / p < 10⁻⁷⁷

THEME 03「尊重の場」 ― 違いを認め合う経験の積み重ね

「差別・人権抑圧の解消」は 4 年通じて最重要課題のトップ 2 に入り続けており (47–54%)、アフリカ・米州・アジアいずれの地域でも高位で安定している。 回答者の 70% が女性であることも、ジェンダー平等への関心の高さを示している。 若者は、異なる背景を持つ人と対話し、互いを尊重する経験を必要としている。

DATA — Q7 「No discrimination」: 50.2% (4-year mean) / 4年 Top2 安定

THEME 04「実践の場」 ― 自分で動く経験が、次の行動を生む

「自分で平和プロジェクトを起こしたい」と答える若者は 2021 年の 33.6% から 2024 年には 39.0% へと増加した。 さらに、「声を発信できる場」や「仲間とのつながり」を必要とする若者ほど、プロジェクトへの意欲が顕著に高くなっている。 小さな実践から始め、自分の力で動く経験が、次の行動への自信を育てる。

DATA — Q11 「Start project」: 33.6 → 39.0% / χ² = 50.6 / p < 10⁻¹⁰

THEME 05「希望の場」 ― 絶望ではなく、平和を描き続けるために

「自分が生きている間に世界は完全に平和になる」と答える若者は 2023 年の 34.8% から 2024 年には 24.6% へと急落した。 一方で「心の平和」を最も大切なものとして挙げる若者が常に 21–27% 存在し、世界の翳りの中でも内なる平和を求める声は変わりません。 悲観が広がる時代だからこそ、希望を持ち続け、平和を描く力を育てる場が必要だ。

DATA — Q5 Yes: 34.8% → 24.6% (2024急落) / Q2 「Peace of mind」: 21–27%
12 — The Goi Peace Foundation

五井平和財団は、この調査を
25 年の活動の土台に置いている。

本調査は、若者の声を聞き続けてきた五井平和財団が、その活動の根拠として蓄積してきた一次データです。173 ヵ国・地域 16,439 人の声が示すものは、財団が長年大切にしてきた 「対話・つながり・発信の場をつくる」 という活動の方向性と、一致しています。

調査が裏付ける、3 つの事実

FINDING 01

世界 173 ヵ国・地域の若者が、同じ問いを抱えている

アジア・アフリカ・米州・欧州・中東――地域を超えて、若者は「戦争のない世界」「差別のない社会」「対話の場」を求めています。平和への問いは、国境を越えた人類共通の問いであることが数字で示された。

FINDING 02

「話すこと」が「動くこと」への最初の一歩になる

平和について日常的に話している若者は、そうでない若者より約 1.5 倍多くの平和行動に取り組んでいます。これは偶然ではなく、統計的に確かめられた傾向だ。対話の場をつくることが、行動する人を増やすことに直結する。

FINDING 03

若者が求めているのは、つながり・学び・発信の機会

「平和に貢献するために何が必要か」への答えのトップ 3 は、教育・学びの場 (77%)、声を発信するチャンス (69%)、同じ思いの仲間とのつながり (69%) です。金銭的支援 (53%) よりも、関係性と機会が求められている。

— 五井平和財団について —

五井平和財団は 1992 年の設立以来、「世界人類が平和でありますように」という願いのもと、若者が平和を自分の言葉で考え、語り、つながり、行動できる場をつくり続けてきました。国際ユース作文コンテストには 30 万人以上・190 カ国の若者が参加。Peace Voice・Peace Café・Peace Journey など、対話と出会いの場を世界規模で提供しています。本調査はその参加者の声を 4 年にわたって継続的に記録したものです。

データが示すこと

若者は悲観しながらも、無関心ではありません。世界が翳りを増す中でも、平和について話す頻度は上昇し、自らプロジェクトを起こしたいという意欲も高まっています。「悲観は絶望ではなく、行動への入口である」 ― このデータはそう語っている。

財団 Web サイト

https://www.goipeace.or.jp/

調査から見えた、4 つの数字

173

ヵ国・地域の若者の声

4 年間で集まった 16,439 人の回答。アジア・アフリカ・米州・欧州・中東をカバー。

1.5

対話する若者の行動量

日常的に平和について話す若者は、話さない若者より約 1.5 倍多く平和のために行動している。

77%

教育・学びの場を必要とする

若者が最も必要とするのは金銭的支援ではなく、学び・仲間・発信の機会。

39%

自分でプロジェクトを起こしたい

2024 年、約 4 割の若者が自ら平和のプロジェクトを起こす意欲を示した。2021 年比 +5.4pt。

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平和意識調査_4年間の分析レポートPDF

お問い合わせは、こちらから

TEL: 03-3265-2071(10:00〜17:00 土日祝日を除く)
Eメール:info@goipeace.or.jp
公益財団法人 五井平和財団「平和意識アンケート」事務局