五井平和財団の青少年教育事業の一つである国際ユース作文コンテストには、毎年150カ国以上の若者から多くの個性豊かな作文が寄せられています。
2020年12月19日(土)、未来を担う若者たちが、国を超えてつながり合い、友情を育み、多様な価値観から学び合える機会をつくろうと、2020年度の上位入賞者を対象にしたオンラインの集いを開催しました。
12歳から23歳までの若者13人が、9カ国から12時間の時差を超えて参加し、同じテーマで取り組んだ作文を話題に、英語を使って、交流を深めていきました。
Q:作文を書いたことで、どのような変化や気づきがありましたか。
※作文のテーマは「2030年の私からの手紙」。10年後の理想の世界に住む自分から、今の自分へのメッセージなどを手紙形式で書いてもらいました。
参加者たちのコメント(抜粋)
Q:お互いの作文を読んで、印象に残った言葉はありますか。
自分の行動が、自分にとって、他人にとって、世界にとって有益かどうかを考える
(「君の未来は今日から始まる」 より)
「自分、他人、世界という自分の行動を評価する際の三つの基準にとても感銘を受けました。」
未来で起こる現実は、あなたの日頃の決断次第だ
(「未来への賢い案内人」 より)
「本当に気に入った一文です。未来は私たちの手中にあり、私たちは素敵な社会をつくる力を持っていると思うから。」
私たちの間に違いがあるから、それぞれに欠けているものを補い合うことができる
(「傾いた天秤」 より)
「多様性が多くの問題解決に大きな役割を果たしていることに気づかされました。」
世界を立て直していきます。ゆっくりと、一つ一つ
(「一つ一つ」 より)
「この言葉はとても美しく、未来をより輝かせるために何をしなければならないのかを理解する世代が増えていることが伝わってきました。」
Q:お互いの作文から、学んだことはありますか。
「苦難の中の輝き」(作文本文 )
「グローバルな変化は、全て自分自身に由来するものだという気づきに感動しました。まずは自分の心の中で気づき、それを社会全体で共有していく。日々、心の中に道徳的価値というダイヤモンドをつくっていきたいです。」
「あきらめないで。2 0 2 0 年の私」(作文本文 )
「正しいと思ったことを行うために、大人になるまで待つ必要はないこと、未来をより良い場所にするために、若者が考えをはっきり表すことを訴えたメッセージが大好きです!」
「あの日の私へ。」(作文本文 )
「女性議員の増加、自動運転車の普及、医療の進化など、様々な領域に視点を注いで未来を描いているところがとても気に入りました。私も男女平等の社会の実現には女性議員の活躍が必要だと思います。」
「希望のブーメラン」(作文本文 )
「感動して5回も読みました。あなたは多くの視点から自分自身を見ることを恐れませんでした。私たちの世界ではいつも全てが完璧ということはないけれど、未来にブーメランを投げることで未来を変えましょう!」
「映画で目にしたように」(作文本文 )
「社会を変革する重要な要素としての芸術の新たな可能性に気づくことができました。映像が浮かぶような文章も印象的でした。自分の決断を信じて行動に移せば、その通りになるというメッセージは、とても考えさせられました。」
「輝きのるつぼ」(作文本文 )
「難民問題をテーマにしたことに感銘を受けました。あなたは難民の生活の向上が未来の世界で重要であることを理解していました。私は将来、弁護士になろうと思っているので、一緒に難民を支援していきたいです。」
「テクノロジーとエコロジー平等主義者の視点から」(作文本文 )
「あなたの作家になる夢、きっと叶うはずです。AI(人工知能)が世界を良くする方法についても本当にその通りだと思いました。『未来を予測する最善の方法は、自ら未来をつくることだ』というリンカーンの引用も良かったです!」
「自然に帰ろう」(作文本文 )
「日本にもあなたのように故郷の未来に貢献したいという志を持つ人が増えれば、過疎や地域格差などの問題は解決できると思います。あなたが住む村の小道は、遠い地だけでなく、未来にも続いているという表現が好きです。」
「波及効果」(作文本文 )
「藻や植物など、環境保護の面にも配慮した原料を使った医療用品を研究し、あなたがパンデミックの原因と考える 地球規模の環境問題に貢献しようとする姿は素晴らしいと思います。」
あっという間に予定の時間が過ぎ、最後に感想を一人ずつ尋ねたところ、より良い未来をつくりたいという共通の思いを持つ仲間に出会えたことへの感謝、地球の裏側の友人とつながり、アイデアを交換できた喜び、異なる様々な視点による意見からの気づきや学びなどが口々に語られました。
次の開催を待ち望む声も届いており、五井平和財団では引き続き、多様な世界に住む若者同士がつながり合える機会を提供し、未来の担い手を育んで参ります。
オンラインの集いに参加してくれた2020年度受賞者の皆さん
※敬称略。年齢は募集締切日(2020年6月15日)時点のもの