【開催報告】ESD日本ユース・コミュニティ・ミーティング2020

2020年5月31日(日)、「ESD日本ユース・コミュニティ・ミーティング2020」を開催しました。

当初は都内で開催の予定でしたが、新型コロナウイルスの影響に鑑み、また、全国各地から参加ができるようオンラインでの開催となりました。

本年2月の第6回ESD日本ユース・コンファレンスのフォローアップや、約300人の多様な若者たちのコミュニティである「ESD日本ユース」の活性化を目的に、メンバー同士が絆を深めると共に、ESD(持続可能な開発のための教育)の発展やSDGs(持続可能な開発目標)の達成に向けて、さらなる連携の強化や協働を模索しました。

教員、学生、NPO・NGO職員、行政職員、社会起業家など65人が、北は北海道から南は鹿児島まで、全国各地より参加。ESD日本ユースの活動を応援する5人の助言者も若者たちに交じり、懐かしい再会や新しい出会いのある大変充実した会合になりました。

4時間半のプログラムは「参加者同士を知り合う時間」、「ランチタイム座談会」、「第6回ユース・コンファレンス参加者からの活動報告」、「『今日からの一歩』の共有」の4部構成で進行。様々なオンラインツールを活用し、参加者全員がじっくり話せる要素を取り入れました。

第1部 アイスブレイク & 参加者同士知り合おう

スタートは参加者のリードで、音楽に合わせて全員でストレッチ運動。その後、参加回をまたいだ4人一組みグループになり、「より良い未来をつくるためにあなたが力を入れていることは何ですか?」という問いを踏まえて自己紹介の時間を持ちました。各自のESDやSDGs活動をするきっかけや経緯などを共有することで、お互いに深くつながり、学び合いました。

第2部 昼食 & 座談会

昼食の時間には、参加者が企画した4つの座談会と、自由におしゃべりができる「フリートーク」に分かれ、画面越しに一緒に昼食を楽しみながら、過ごしました。

座談会テーマと内容

座談会1 みんなでつくる ESD キャリア相談室
ESD実践者としてのキャリアの「今まで・今・未来」を共有し、実現方法を学び合いました。
座談会2 オンラインを通したアクティブ・ラーニングの可能性
新型コロナウイルスの感染拡大によってオンラインによる授業やイベントが多くなる中、アクティブ・ラーニング(主体的・対話的で深い学び)を実現するための工夫や課題などについて共有しました。
座談会3 新型コロナウイルスの影響下でもできるESDについて
新型コロナウイルスの影響で、教科学習が優先される中にあって、学校を含めた教育現場でのSDGsに関する学び、オンラインツールの手法や可能性について話し合いました。
座談会4 ユネスコ「未来の教育」プロジェクト特別企画 ~ 「なりたい」に向けて学ぶ
ユネスコ「教育の未来」プロジェクトにESD日本ユースのメンバーが有志として参加し、2050年のビジョン、教育の目的やあるべき姿、学び方がどう変わっていくべきかを語り合うためのキックオフ(立ち上げ)の機会となりました。

第3部 第6回ユース・コンファレンス参加者からの活動報告

2月に開催した第6回ESD日本ユース・コンファレンスで誕生した次の6つの共同プロジェクトの進捗が報告され、意見交換やアドバイスをし合いながら、各プロジェクトの活性化や次の行動へつなげることを目指しました。

共同プロジェクト発表

1. 当たり前ロス
今まで当たり前と思っていたことを失う(=ロス)ことで、前向きな変化をこれからのライフスタイルに取り入れていこうと、プラスチック無し、ペスカタリアン(魚介類は食べる菜食主義者)で1週間を過ごした2つのチャレンジについての報告と次のチャレンジ案を出し合いました。
2. 「愛すること」、「愛されること」の体験ストーリーの映像化
愛すること、愛されることの体験ストーリーを映像化し、動画によって自己承認につなげる活動の経過報告と共に、ユーチューブのESD日本ユースチャンネル開設の夢も語られました。
3.放課後 ESD!
既存の教材を有効活用して、課外活動におけるESDを研究。今後、学童保育での出前授業の実施を目指していることが報告されました。
4.ESD ストーリーアーカイブ(活動記録)in Google Earth(グーグル・アース)
「ユースの活動を地球視点で伝えよう」というプロジェクト。Google Earth(バーチャル地球儀システム)を使って、地球規模・地域単位の活動に関わらず活動現場の様子を写真や動画で伝え、最終的にはホームページでの様々な活動紹介を目指しています。
5.ESD×オンライン
広島の被爆3世の参加者が、オンラインで広島平和記念公園を巡るツアー(例・オンライン修学旅行など)を開発。ESDストーリーアーカイブとの連携により、完成度が高いものとなりつつあり、その計画が共有されました。
紹介サイト
6.ESDさーくる
教員のメンバーを中心に、各学校のSDGsの取り組みをポスターで紹介したり、12月にはそれぞれの取り組みを生徒たちがオンラインで発表し合うことを目指して定期的に話し合いを重ねています。

第4部 今日からの一歩 & 閉会

この日の感想として、今の気持ちや今日の気づき、これから行っていきたいことなどを共有しました。

また、助言者からも「学校や地域を超えた連携や協働のメリットと必要性をはっきり知ることができた」などの感想が寄せられました。

参加者たちの感想を受け、最後に事務局より6年かけて培ってきたこの300人からなるコミュニティ全体の活動を皆で益々発展させていこうと呼びかけ、閉会となりました。

参加者たちの感想(抜粋)

【今の気持ち】

  • 同じ思いの仲間からパワーをもらった。
  • オンラインでここまでできるという可能性をとても感じた。
  • どんな世の中になっても、コンファレンスで感じた熱い気持ちや、今日のようにユースの仲間とつながっているということを忘れないでいこう。

【これからやっていきたいこと】

  • プロジェクトはゴールを目指す過程にこそ学びや発見がある。
  • 自分の活動の目的を思い出す機会になった。あとは行動あるのみ。
  • それぞれの興味や専門が多様なこのコミュニティから得られたアイディアを具体的な取り組みにして、普段の職場でも活かしていくことが使命。

【今日の気づき】

  • 今日つながった人に連絡を取り、アクションにつなげていきたい。
  • コロナ禍にも関わらず精力的に活動している方々に刺激をもらったので、自分も目標を具体化し、活動していきたい。